新入社員Aと私

月一回の社内研修に参加した。前回の研修は自分だけ告知が無かったため、今回初めての参加だ。正直言って行きたくない。

研修室に入り、黙々と新しい言語を入門サイトで練習をする時間が始まる。この日は内定者の社内見学があり、AはSE兼営業のためそちらで何かやっているらしい。

プログラム言語はバージョンの違いで書き方が大きく変わることがある。今回の言語も、入門サイトと環境に差がある。(初学者にバージョン違いの資料って...)と思いながらも淡々と課題をこなす私。疑問点を基本的に自己解決してしまう部分は、私の欠点なのだろう。先輩方とほとんどコミュニケーションをとらない中、時間は無情にも過ぎていく。自分の周りに不可視の壁があるようだ。

研修時間も半ばを過ぎたあたりで、Aと内定者(学生時の後輩)が来た。研修風景を見ながら、仕事の内容や衣食住周りの説明をするA。内定者と和気あいあいと話をするAに、違和感を覚え始める私。現場が違えどOJTであることに変わりはない、しかし現場の雰囲気が違いすぎる。Aは始め2の週間、ただ言語の勉強をしていたと話している。どうやら時間にゆとりを持った案件のようだ。一方の私は、5月末リリースの案件を4月末には終わらせるということで、右も左もわからない中でほかの社員に交じり外部定義書の修正作業を行っていた。先輩らに「そっかぁ、新入社員だもんね。ここから説明しないとダメかぁ。」と小馬鹿にされながらも作業を行っていた。

Aは現場の雰囲気が良いと内定者に説明する。今月からは、同行している先輩の作業が終わり、自分のやるべきことを一から教えてもらっているそうだ。聞いている限りとても仕事が楽しそうで、本来あるべきOJTといった印象を受ける。私の現場はどうだろう。4月中に外部定義書の修正以降、内部定義書、コーディング、単体テスト、5月からは結合テストをやりつつ、新規プロジェクトの外部定義書作成をしている。自分の仕事量についてはどうか。1週目、新入社員の仕事量を1/2とする現場に疑問を抱きながら働く。新人の労働生産性を考えれば1/3程であろうに...。2週目以降、作業ペースにしがみつく私に味を占めたのか、仕事量は0.8、1.0と増えていた。率直に感想を言うなら、見て覚える時間が欲しい。レベル0の状態でメタルスライムを倒せと言われているようだ。チュートリアルを受けられないまま放り出され、死に戻り(間違い)を犯したら教会の神父(上司)に小馬鹿にされる。おぞましい程の糞ゲーである。同行している上司と先に帰宅しようとしても、雰囲気が悪い。他の社員は仕事しているぞという、無言の圧力が漂う。定時に帰れるのは週1~2回程だ。

 Aが仕事を楽しんでいるのは素直にうれしい。しかし、私との違いを見せられるたびに、不安は膨らむ一方だ。今の案件リリース後は違う現場に入れてもらう予定だが、どうなるだろうか。時間にゆとりのある現場なら良いのだが...。それでもダメなら辞めることを考えよう。

 

 以上、新入社員Aと私について、会社内での新人としての仕事量について。愚痴と言われればそれまでだが、新人なら上記2つはかなりプレッシャーとなる。上司から言わせれば、それだけ期待しているということだろう。しかし、新入社員から言わせれば、知識0経験0で実態値も分からない状況で期待値を掲げられても無意味である。諸先輩方には、自分が新人の時に感じた理不尽さや不安を思い出して頂けたらありがたい。

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